特撮大百科DREAMS

超スローペースではありますが、業界屈指のクオリティとバイタリティを誇る【特撮大百科】シリーズのレビュー。ならびそれらを製作・販売している実力派メーカー【株式会社キャスト】関連のイベント等の御紹介をメインとする専門ブログです。

南極の大海獣



今回御紹介いたしますのはこちら。

UMA世界の大怪獣百科シリーズから

『南極の大海獣』

です。


1958年2月13日、南氷洋を航海中だった日本の南極観測船・宗谷。

しかしその途中、前方にて海上が激しく波打ったかと思うと突如巨大な生物が浮上。
宗谷を襲う事無く30秒後に再び海中に姿を消した巨大生物を直に目撃した乗組員達はその姿を全身が黒褐色の短毛で覆われ、頭部は80cm程のサイズをしており、面長な顔には尖った耳と不気味に光る目玉を備え、背中にはノコギリ状のヒレも生えていたと証言する。

やがてその特徴から2000万年前に絶滅したと言われる海棲哺乳類の生き残りではないかと仮説も上がったこの謎の怪物。
当時のマスコミに目撃者である松本船長が巨大さを分かりやすく伝える為に「ゴジラのようだった」と語った事から

「南極ゴジラ」

の呼称で世間一般に広まり、その後の目撃情報は皆無ながらまさに怪獣を彷彿とさせる印象強い目撃談もあり、長きに渡ってUMAファンや怪獣好きな子供達の好奇心を刺激し熱視線を送られる人気の未確認生物となりました。


本作ではそんなかつて南極の海 に出現したと語り継がれる現実世界のゴジラを独自の解釈を踏まえて造型化しております。

地球の最南端に位置し、常時分厚い氷と万物を凍てつかせる冷気に覆われた人類未開の地である南極大陸。
その想像を絶する過酷な環境は、逆に人々の未知への想像を掻き立てるに恰好の場所ともなり古くから様々な媒体によるSF作品の舞台に選ばれる事もしばしば。

更に近年では
「ニンゲン」
と呼ばれる新たなUMAの存在が噂され、今なお根強いミステリースポットの地位を確立させています。

しかし少なくとも日本国内にてその傾向をより顕著とさせたであろうはやはりこの南極ゴジラ。

スクリーンに登場したばかりの大怪獣ゴジラになぞらえた斬新なる未確認生物との遭遇は、確実に同地の神秘性を秘めた夢と浪漫に一層の拍車を掛けたはずです。

それに焦点を当てた本作も同シリーズの趣旨に沿い、実際のUMAとしてのリアリティ以上に特撮映画における怪獣らしさを顕現化した粋なこだわり。

造型自体は半身のみながら中のスーツアクターの存在すら如実にイメージさせ、更に猛々しさ溢れるポーズによって生じた全身の外皮の弛み表現と併せて本格的に模られた、日本の特撮マニアにとって実に愛着深い伝統の着ぐるみ感。

しかもよく見ると今作では喉元の覗き穴まではっきりと描写されており、この造型師さんのより良い作品作りの為の遊び心が冴え渡る敢えての姿勢もまた、さすがの芸の細かさの反映であると言えます。

なお風格に満ちた肉付き良い体型も、古より極寒の地に棲まう海棲哺乳類の生き残り説に基づく南極ゴジラならではの生物的特色として作品に確固たる説得力をもたらしており、まさにUMAの本懐たる自由な発想をフルに活かしたデザインである事がありありと伝わってくるほどです。 



鼻先から一列に連なる背部のヒレも、その飾りすぎないシャープな流麗さが後ろ姿の見映えに磨きを掛けています。

そして南極ゴジラの呼称に倣うスタンダードな輪郭にして唯一無二の個性もよく表れている顔つきとなった頭部も、上記の目撃者証言を投影しつつやはり着ぐるみ然とした雰囲気を徹頭徹尾に尊重。
活き活きとした光沢を見せる両眼や思わず息飲む程に真っ赤に染まった口内と透明感ある輝きの牙のコントラストが映える口元の絶妙ぶり。
それらがより際立たせる、獰猛さと愛嬌を兼ね備えた精悍な風貌は本家ゴジラを彷彿とさせ、オリジナル怪獣ながら抵抗感を覚えさせず、むしろ高揚感を煽るが如き鮮やかな意趣力が見られます。

大海獣の呼び名や滑らかな張りを持つ肌に映える清涼感込めた薄青を基調とする彩色も、同キャラへの親和性の高さを実直に追求したさすがの色遣いとなっています。

また南極ゴジラ出現の瞬間をイメージさせる専用台座であるゴツゴツとした氷山が浮かぶ南氷洋ベース。



こちらは南極観測船・宗谷が一部分でも再現されてましたらよりベストでしたが、それでも激しく波打つ海面が南極ゴジラの怒濤の巨大感をその海中に隠れた下半身も含め眺めるたびに強く想像を掻き立てられ、まさに人の理解を遥かに凌駕する迫真のスペクタクルな情景を巧みに演出しております。

今作ももしこんな怪獣映画があったなら。な妄想を童心に帰ったかの様な心持ちで楽しませてくれる同シリーズのお手本たる存在感を織り成す快作。

ちなみにこの「南極の大海獣」は昨年夏に【新・UMA世界の大怪獣百科】の第1弾として、満を持しての全身版がリリースされましたが…。

こちらも実際のUMAさながらに、根気強く入手のチャンスを待つ必要がある作品となりそうです。
スポンサーサイト

テーマ:特撮 - ジャンル:サブカル

  1. 2017/05/25(木) 00:40:09|
  2. UMA世界の大怪獣百科
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ゴジラ第4形態ver.3《活動停止状態》

※御指摘を受け一部記事を修正しました。関係者の皆様に御迷惑をおかけいたしました事を心からお詫びします。



今回御紹介いたしますのはこちら。

ゴジラオーナメント特撮大百科シリーズから映画「シン・ゴジラ」より

『ゴジラ第4形態ver.3《活動停止状態》』

です。


劇中、自衛隊の威信を賭け多摩川河川敷で展開された「タバ作戦」を容易に突破し遂に東京都内への侵入を果たしたゴジラ。

最早打つ手無くした日本政府は苦渋の決断で日米安保条約に基づいて在日米軍への駆除協力を要請する。

やがて多くの都民達が一斉避難で混乱している中始まった、在日米軍による戦略爆撃機B-2群からの地中貫通爆弾MOPⅡ投下はゴジラの強靭な外皮を貫きとうとうゴジラに有効なダメージを与える事に成功する。

しかしこの攻撃で更なる進化を促されたゴジラは激しい咆哮後、背ビレを紫色に発光させた次の瞬間、大量の黒煙を吐き出し更に灼熱の熱焔へと変化。
そしてそれは急速に収束し熱線と化すと、上空のB-2を撃墜。

その後も同様の熱線を背ビレからも放射し全てのB-2を破壊すると、続け様に周囲の都心一円をも容赦なく薙ぎ払う。

日本の首都として繁栄を遂げた東京の街は一瞬で破滅の業火に包まれ、数多くの民間人らと共に大河内首相を始めとする政府閣僚らもその犠牲となってしまう。

そしてゴジラもまた長時間の熱線放出によってエネルギーを使い尽くし、皮膚下から発していた輝きを失うと東京駅構内で活動を停止。

空から近付く物全てを撃ち落とす生体レーダーを備え、そのまま360時間の休眠に入るのだった…。


本作では歴代ゴジラ史上トップクラスに凄絶な熱線による都市破壊シーン直後に披露した、エネルギー回復の為に動きを止めその場にて沈黙するゴジラ第4形態を再現しております。

形態変化だけでなく場面ごとでの状態変化のバリエーション豊富さも大きな特徴であるシンゴジラ。

ビジュアル面からもその様子がはっきりと分かるこの活動停止状態もそんな顕著な一例。
従来の様に体力切れとなれど海に帰る事も倒れ伏す事も無く、人類にゴジラと言う名の悲劇を忘れさせぬべく、まるで己の圧倒的脅威を刻み込むかの様な威圧感を内包して佇むその姿はまさに寂然たる神々しさと業深き悲哀の象徴とでも呼ぶべき独特の意匠をも感じさせてくれます。

そんな直前までの熾烈な暴から一転しての寡黙な静を強調する名シーンを模ってますが、その外観からもお察しの通り本作は発売直後から怒濤の話題性相まって大きな反響を集めた
『ゴジラ第4形態ver.1』
のアレンジ商品。
更にその好機を逃す事なくほとんど間を置かずに破竹の勢いで繰り広げられたシン・ゴジラ関連オーナメント新作ラッシュの一つとあって、何時にも増しての商魂逞しさを感じさせる作品でもあります。

当然造型としては基本的に前作と同一ながら、アレンジに伴って最も際立つ変更点は誰の目からも一目瞭然なシチュエーションをしっかりと反映した彩色。

従来の赤色滾らせるカラーリングからガラリと印象の違いを出す、全身をほぼ一色に染め上げるゴジラの王道と言える漆黒の塗装も、ただ単純に黒く塗り潰しただけの仕様に終わらず。
同作でも重要なファクターを担う独自性に富んだ表皮の質感を損なう事無い格調高さすら伺える細密な色つやで、微動たりせずとも常に滲み出される現代社会に初めて現れたゴジラの畏怖に満ちた荘厳な雰囲気も丹念に形作っています。

 


全身の輝きを潜める中、唯一うっすらと活動時の名残を留める尻尾の一部も、どこか幻想的な色味を見せる紫扇貝色の塗り分けは色ムラ無しに精緻に尽きるの一言。
シンゴジの尻尾随一の特色となる頭部状の先端も、落ち着きのある色彩となった事で、その更なる進化の兆しを漂わせ彫り深く強調された鮮明な存在感はより必見です。

またこれも劇中再現の忠実さに定評ある特撮大百科シリーズを銘するだけあって、ただのカラーバリエーションで終わらせるはずもなく第4形態に因んだ直立ポーズも各部に施された若干の変更もver.1との明確な違いをアピール。

更なるうつむき加減を見せる首の角度、内側に向けられた腕の方向。そして弛緩気味に高度が下がった尻尾の屹立具合と、自身にすら制御しきれぬ程の急速な進化に振り回されるゴジラの哀愁が活動停止中でもキッと開かれたままの眼と共に本作からもひしひしと伝わってくる卓越の表現力でもあり、造型師さんの観察眼の鋭さもよく体現されています。

なお追加要素として看過出来ないのが崩壊した東京駅周辺を再現する専用ベースの付属。



控えめなサイズにゴジラによって蹂躙されたまさに惨状たる情景の繊細さは、圧巻のスケールでそびえ立つ本体を引き立てるにこの上ない良質な造りとなっております。

今回も各メーカー引っ張りだこな大人気コンテンツの「シン・ゴジラ」を題材としただけあって、本作もまた同社のアイデンティティたる発想の勝利をフルに発揮した着眼点で打って出る、まさに素材を活かすアレンジの水準やシーンの選出センスにも増しての気概の高さが見出せます妙品です。

ちなみにこちらは何故かいきなりver.1からver.3と一つ飛ばしのナンバリングになっているのも何気に気になる商品でもありますが、果たしてその間を埋めるver.2にあたるのは先日の『タバ作戦ベース』と組み合わせた物なのか?
それとも後日それに該当する新作がリリースされますのか?
その答えが判明する日も、そう遠くはなさそうです。

テーマ:特撮 - ジャンル:サブカル

  1. 2017/05/20(土) 00:13:34|
  2. ゴジラオーナメント特撮大百科
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

公害怪獣ヘドラ かえせ!太陽をBOX



今回御紹介いたしますのはこちら。

「ゴジラ大怪獣百科2」封入ラッキーカード引換フィギュアから映画「ゴジラ対ヘドラ」より

『公害怪獣ヘドラ かえせ!太陽をBOX』

です。


劇中、隕石に乗って地球へと飛来した宇宙鉱物ヘドリュウム。
その後公害汚染が深刻な駿河湾にてヘドロを吸収してヘドラ幼態へと進化すると、幼態同士で合体を繰り返し遂にはタンカーを襲う程までに成長。

やがて四足歩行で地上にまで進出する様になるとヘドロを撒き散らかしながら工場煤煙まで取り込むも、一度はゴジラに敗れ海へと逃げ帰る。

しかしこの際にゴジラの核エネルギーを吸収した事で一層加速的な進化を遂げ、硫酸ミストを辺り一面に降り注がせつつ飛行可能となったヘドラの前にゴジラですらも右手を溶かされ、人的被害は1000万人と言う桁外れな物に及んだ。

そして止まる所を知らぬ進化によってゴジラを超える体躯と二足歩行の機動力、更に強靭な攻撃性を得たヘドラは富士山麓にて立ち向かってきたゴジラを圧倒。

その凄まじい力に最早打つ手無しかと思われるも、ヘドラ唯一の弱点を突く秘密兵器とゴジラの奇策で形勢逆転。
最後まで抵抗を続けるも、とうとう力尽きたヘドラはボロボロに崩れ落ちて息絶える。

しかし人類が犯した大罪である公害の因果を体現するかの様に、汚れきった海ではまたもう一匹のヘドラが新たに誕生していたのだった…。


本作では1970年代の日本最大の社会問題であった「公害」の申し子たる異形にして不滅の大怪獣ヘドラを主役とした豪華フィギュアセットとなっております。

映画と共に東宝怪獣の中でもカルト的人気で言えば確実にナンバーワンであろうこの公害怪獣ヘドラ。

その人気の大きな要因の一つであるのは、やはり後々の怪獣にも絶大なる影響を与えた多彩な形態変化。
怪獣王たるゴジラをも翻弄する目まぐるしいまでの変わり身は観てる者を飽きさせる事なく、新怪獣ヘドラの異質の存在感に一層の斬新な衝撃をもたらしました。

だからこそ特撮大百科台頭期な2004年頃に上記商品の当たりカード当選品として数量限定リリースされ話題騒然となった経緯を取る本作。
それは知れば知る程に深淵を覗くに似たヘドラと言う怪獣の持つ魅力をとことんまで突き詰めた故の徹底した特別感へのこだわりを投影するセット仕様である事を、手にした人なら確実に否応なしの深い納得感で応えられるはずです。

そしてその映画を代表する名フレーズを冠したタイトルにも並々ならぬセンスを感じさせ、大半が初立体化を謳い文句とし専用のブリスターパックに収録されました同セットの内容は、ヘドラの誕生から最期に至るまでの激動の変遷を辿り凝縮した、後にも先にもこれだけであろう至福の各形態揃い踏みなこの一覧です。




・01 ヘドラ幼態1
・02 ヘドラ幼態2
・03 ヘドラ水中棲息期
・04 ヘドラ上陸期
・05 ヘドラ飛行期
・06 ヘドラ逃亡ver.
・07 ゴジラ飛行ver.
・08 ゴジラ飛行ver.ヘドラ捕捉
・09 乾燥状態&生命核
・番外 そしてもう一匹…
・特典 ヘドラ初期イメージver.

これまさに黒々とした渋さに惚れ惚れとする公害怪獣尽くしを地で行く万感の充実度。
ダイナミズムとコミカルさで劇中でのインパクトと言う点ではヘドラにも勝るものがある、シリーズ唯一のゴジラの飛行状態を2種盛り込んでなおメイン格たるヘドラ完全期を敢えて除外する方向性は、現在も脈々と受け継がれる特撮大百科のポリシーの象徴でもありそうです。

同時によもやまさかこんな物までの、これぞ文句なしにマニアックの極みな知る人ぞ知る「初期イメージver.」の封入は当時の当選者に他の形態ラインナップへの驚きを凌駕する程に鮮烈なサプライズとなりました。

また造型に関してはゴジラの右手や左眼の溶解が再現されてなかったり、一部に塗装の物足りなさ等が散見されますがそれでもヘドラのクセの強い質感をきめ細かに浮彫させたディテール自体は今見ても及第点以上の完成度で、実物を前にしても落胆を覚える事はまず皆無なクオリティかと思われます。

しかも後年ゴジラオーナメント特撮大百科シリーズの人気タイトルとして多数世に送り出されたヘドラオーナメントのほとんどが同セットを基にしている事からも、本作リリースの結果が形として表れた注目度と影響力の大きさがひしひしと窺え、まさにその起点を築いた語り讃えるに相応しい貫禄ある名品です。

ちなみに余談ながら本作の企画・製作にはあの

・「旧・株式会社バンダイ」さん

も御協力されており、まさかのイワクラ×バンダイの実力派タッグ作品であるのも見逃せない重要なポイントとして特筆させていただきます。



最後にこの稀代の力作
「ゴジラ対ヘドラ」
をデビュー作品とする映画監督

・坂野義光氏

が2017年5月7日に、くも膜下出血で亡くなられていた事が発表されました。享年86歳。

ゴジラシリーズでも群を抜いた異色にして意欲的な独創性ある世界観で多くのファンを虜とし、近年でも株式会社キャストさん主催のイベントにて特別ゲストとして馳せ参じられたり、2014年版「GODZILLA」のエグゼクティブ・プロデューサーとして御活躍されたりと精力的な活動を続けられてた事もあって私もその一報に驚きを隠せず、またゴジラの歴史に深く関わられた功労者の訃報に深い悲しみを覚えております。

一ファンの立場からではありますが、坂野義光監督の御冥福をお祈りします。

テーマ:特撮 - ジャンル:サブカル

  1. 2017/05/15(月) 00:02:31|
  2. その他
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

命ある限り望み捨てず



今回御紹介いたしますのはこちら。

ゴジラオーナメント特撮大百科シリーズから映画「モスラ3 キングギドラ来襲」より

『命ある限り望み捨てず』

です。


劇中、インファント島の宝物殿に忍び込んだエリアス三姉妹の長女ベルベラ。

宝物殿を荒らしながらもお目当ての一族を最後に護る力「エリアスのトライアングル」の秘密を握る3つのメタルを見つけ出すが、そこにエリアス三姉妹の次女と三女であるロラとモルが現れベルベラを問い詰める。

それでも動じる事なくベルベラは2人の目の前でメタルを奪い、自らが使役するガルガルⅢを呼び出し逃亡を図る。

しかしそれを阻もうとする妖精モスラとの交戦中にメタルを手放してしまい、ベルベラは「愛」ロラは「知恵」そしてモルは「勇気」を冠したメタルが三姉妹それぞれの手に渡る。

やがてベルベラはロラとモルに空から恐怖の大魔王が降りてくる事と、そのメタルを大事に持っておくよう伝え夜の闇に姿を消す。

その場に残された2人もエリアスのトライアングルの正体を把握出来ぬまま、姉が口にした不吉な予言から地球に未曾有の危機が迫っている事を感じ取るのだった。


本作では平成モスラ3部作完結編かつ映画公開時の世紀末ブームを反映するカタストロフィな趣向を凝らした同映画の象徴的名言として
「ヌアイ・ルアフ・ネウ・イアフ」
の言葉と共にアバンタイトルを飾りましたインファント語による一文をプレート化しております。 

常にユーザーの予想の範疇を大きく超え、斬新に意表を突くキャラクター・小道具・シチュエーション問わずの作品造りをアイデンティティとしている特撮大百科シリーズ。
しかし今回はそんな変わり種を定番とする同シリーズにおいても異色中の異色と言える、まさかの劇中の一文を再現する挑戦心を突き詰めた驚きの一品。

ただ類似品としてゴジラオーナメント特撮大百科の番外編たる
「東宝特撮映画タイトルロゴ大全集」
が存在し、本作は仕様的にもむしろそれに近い傾向が見て取れます。

されど趣きは従来のシリーズと異なる特色を押し出してますが、やはり映画の1シーンを形にした物である事は変わらず、それを意識しての再現は比較しても遜色ない安心の仕上がり。

その質感を忠実に再現した乾いた大地の上に刻まれるタイトル通りの「命ある限り望み捨てず」のインファント語もプリントに頼らず、一文字ごとに跳ね止めきっちりと彫り浮かべた、納得の見映えを提示するさすがの妥協の無さ。

その下に位置する劇中でも意味深に砂の下から浮かび上がったインファント島の紋章も、主格たる一文にも増して目が行くブレなき存在感で描き出されています。

また情景的立場を兼ねた大地部分は正面だけのみならず側面にまで及んでいるのも、作品の雰囲気向上に一役買っているのも確かです。



そしてその平たさに反して自立させてのディスプレイも可能となっているのも何気に嬉しい構造だと言えます。

つい作品の特異性ばかりに気取られがちですがその神秘性をも模るインファント語による明言にもじっくりと目を凝らせば、少し人生に疲れた時やちょっとした困難に突き当たった時に自然と乗り越える活力を得られそうな、そんなちょっとした不思議な力を宿すオーナメントとして重宝出来るかもしれません。

テーマ:特撮 - ジャンル:サブカル

  1. 2017/05/10(水) 00:06:39|
  2. ゴジラオーナメント特撮大百科
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

大怪獣ガメラ1966凍結ver.



今回御紹介いたしますのはこちら。

ガメラ・大魔神特撮大百科DELUXEから映画「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」より

『大怪獣ガメラ1966凍結ver.』

です。


劇中、巨大ロケットで火星へと送られてる途中で隕石の衝突によって解放され地球へと舞い戻ったガメラ。
直後に熱エネルギーを求めて黒部ダムを襲撃し、再び猛威を振るい始める。

一方で強欲なる人間達によってニューギニアから持ち去られたオパール状の卵から伝説の冷凍怪獣バルゴンが孵化。
卵の段階で赤外線を浴びた事で突然変異を起こしたバルゴンは神戸港から上陸し、そのまま神戸・大阪の街を舌先からの冷凍液で凍らせ防衛隊のミサイルも基地もろとも背中からの殺人虹光線で全滅させる。

しかし殺人虹光線が発する膨大な熱量に引き寄せられガメラもまた大阪に飛来。

両怪獣共に闘争本能の赴くままに大阪城を背景に炎と氷入り乱れての激闘が始まる。

どちらも四足歩行のスタイルで一歩も譲らぬ攻防を繰り広げ、やがてガメラの火炎放射がバルゴンの身体を焼きこのまま勝負が決まるかと思われた。

だがバルゴン反撃の冷凍液がガメラを直撃。
その恐るべき凍結力は戦いを優位に進めていたガメラを立ち所に凍てつかせ、どんどんとその動きを封じていく。

そしてガメラの全身が氷に覆われたのを確認し駄目押しを狙ったバルゴンが近づくも、まだ闘志は尽きておらずせめて一矢報いるべく最後の力を振り絞ってバルゴンの顔面に爪を突き立てる。

それでも決め手には程遠く、むしろバルゴンの怒りをますます買うだけとなり強烈な一撃を食らい大地に倒れた氷漬けのガメラはその活動を停止するのだった…。


本作では前映画にて無敵とも思える強さで人類を戦慄させるも、続編では新怪獣のバルゴンによって無残に敗れてしまうと言う実に衝撃的な展開を迎えたガメラの凍結状態をフィギュア化しております。

数ある大怪獣達の中でも最もピンチが似合うと言っても過言では無く、むしろ様式美すら築いたであろうガメラ。

第1作目から餓死を目的にひっくり返されたり、島流しならぬ火星流しにされかけたりしましたが後々から伝統ともなる、敵からの攻撃で満身創痍となるガメラをより顕著にしたであろうがやはりこの大阪城前での凍結シーン。

一見すると新怪獣であるバルゴンの強さを引き立てる為のかませ的演出にも見えますが、逆にここからの痛快な復活逆転劇があったからこそ以後の子供達のヒーローたるガメラが確立された、ある意味ここも重要なシリーズのターニングポイントであろう場面かもしれません。

本作もそんな凍てつき沈黙させられ屈辱を味わうガメラの心境すら写し出すかの様な繊細さで再現。

丹念に造り込まれたディテールゆえ際立つ、覇気感じられぬ四つん這いで力無く項垂れたポージングが醸し出す窮地に立たされた弱々しい雰囲気の表現も思わず悲痛を覚える程に共感性高い忠実さ。



特に荒々しく鱗がささくれ立つ大きな甲羅に映える黒い体表を塗り潰す様に全身を真っ白に覆う氷結塗装も、その極寒の鋭い冷たさがひしひしと伝わってくる鮮やかな色合い。



腹部や口内と言った目立たない部分もメリハリ効かした塗りが行き届いており、まさに静かな刮目所です。

項垂れる頭部も力奪われて尚不屈の輝きを宿す瞳の毅然たる再現と相まって、命すら蝕む極寒の脅威に晒されながらも炎の如き闘志を滲ませるガメラの表情をも巧みに描写されています。

さらにガメラ同様にうっすらと凍結塗装が為されたディスプレイベースも作品の情景感に冴えをもたらすアクセントが見て取れます。

これもまた美学とも言えるガメラのダメージシーンにより着目するガメラ特撮大百科シリーズならではの一端を担う作品として、そのらしさを楽しむと同時に敬意にも似た感情すら抱かせてくれそうです。

テーマ:特撮 - ジャンル:サブカル

  1. 2017/05/05(金) 00:09:16|
  2. ガメラ・大魔神特撮大百科
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0
次のページ