今回御紹介いたしますのはこちら。
ゴジラオーナメント特撮大百科シリーズから映画「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」より
『両刀怪獣カマキラス飛行形態《単品再販版》』
です。
劇中、迫る食糧難の危機への対策を兼ねて、太平洋の孤島・ゾルゲル島にて行われた気象コントロール実験。
しかし謎の妨害エネルギーによって実験は失敗し、島は異常高温に包まれる。
そしてその影響は島内に棲息していた大カマキリにも及び、巨大怪獣カマキラスへと変貌させてしまう。
その後、島の中央に埋まっていた卵を掘り返して叩き割り、3体掛かりで孵ったばかりのミニラを甚振るも、ミニラの危機に駆け付けたゴジラと対峙。
カマキラス達も果敢に挑み掛かるが、たちまち2体が返り討ちに遭い熱線によって焼き払われてしまう。
そして最後の1体も状況の不利を悟ると、すぐさま背中の羽根を広げスゴスゴと飛び去ってしまうのだった。
本作では主に咄嗟の高速移動を図る為に使用した、カマキラスの飛行形態をオーナメント化しております。
強い昆虫の中の一つとして、よくその名が挙がるカマキリ。
時にトカゲや鳥ですら捕食するそのフィジカルは、仮に人間サイズなら生物最強とまで言われます。
それゆえ怪獣サイズにまで巨大化させたカマキラスもまた、そのストレートな風貌に相応しい強者のポテンシャルを秘めていると思われます。
ところが実際の活躍を見た限りでのヒエラルキーは決して高いとは言い難く……。
まさに一筋縄では行かぬ弱肉強食世界の厳しさと、既存の生物の尺では計れぬ怪獣達の奥深さを象徴する。
カマキラスはそんな説得力を担った怪獣であるのかもしれません。
本作はそのタイトル通り2011年に発売された
・ゴジラオーナメント特撮大百科EX
『両刀怪獣カマキラス 着陸形態+飛行形態セット』
の片方を再販売したもの。
ただし当時の飛行形態はセット版のみでのリリースであった為に、今回の単品版は未入手の人はもちろん、既にセット版を購入した人にもコレクターズアイテムとしての需要がありそうです。
カマキラスの造型自体は大きな調整や変更は無く、着陸形態を巧妙にアレンジした同作の粋な意匠をそのままに維持。
飛行形態ならではの特徴である展開された背中の翅のディテールに、刃先から脚先まで張り詰める様に伸ばした躍動感溢れるポージングは、まさに10年以上経っても見劣り微塵もない壮観な造り込み。
クリア素材による橙色の奥行きと光沢感映える複眼をはじめとした、
刺々しい両手の鎌と槍など全体のキレ味鋭い硬質感の描写は一種の美しさすら纏わすほど。
腹部側の細緻な再現度も含め、カマキラスと言う怪獣のデザインの真髄がこれでもかと凝縮されています。
もちろん赤茶色を主とする体色や翅部のグラデーション利かせた塗装も、色彩見事な仕上がりです。
なおこれは詳細は不明ゆえ、この再販版の仕様の可能性も考えられます。
が、以前のセット版や付属の解説書と見比べても、今回私の手元に届いた物はアクリルベースのディスプレイバーの差込位置が随分と後ろに偏っており、やはり気になるところ。
それでもこれはこれでエラー品としての唯一の付加価値が付いたと思えば、それ程悪い気はしません。
良作を決して埋もれさせぬ特撮大百科の流儀。
今回も『カマキラス飛行形態』と言う知る人ぞ知る妙品を通して、再販独自の醍醐味を堪能出来ます。
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テーマ:特撮 - ジャンル:サブカル
- 2023/05/20(土) 02:43:53|
- ゴジラオーナメント特撮大百科
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